堺別院史

『堺別院史』の編纂事業は、2010年の「親鸞聖人750回大遠忌法要事業」の一環として出発しました。以来、5年間に亘り、関連資料の発掘、調査、解読、検討などを行い、40回の編集会議を経て、ようやく発刊の運びとなりました。
 別院における保存資料の少なさもあって、困難が予想されましたが、編集委員の地道な活動の結果、由緒ある「北の御坊」たる本別院にふさわしいものが出来上がっております。
 本書は中世の堺別院の様子に関して、蓮如上人の「御文章」や関連資料の緻密な解読をはじめ、これまでの堺別院の歴史を振り返り、新たなる歴史を刻んでゆくための貴重な資料となります。

蓮如上人は、古くから海上交通の要衝であったここ堺の重要性に着目し、信証院を建てられしばしばおもむかれたと伺います。創建後は、戦乱・火災・国の政策等さまざまな原因により、荒廃と再建が繰り返されてきました。
しかしながら、現代まで別院が存立してきたのは、宗祖親鸞聖人のみ跡を慕い、お念仏の声を絶やすことなく次代に伝えようとされた多くの先達方の強い思いによるものにほかなりません。
 蓮如上人のご往生ののちも堺御坊として受け継がれ、のちに堺別院となったものであります。

 在庫に限りはありますが、1人でも多くの方に本書を手にとっていただき、お念仏の声がますます広がることを念願します。
 ご希望の方には冥加金6,000円以上にて本書を扱い品として交付しております。お問い合わせは本願寺堺別院『別院史』係まで。